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YATO放送局より 〜YATOの2020年度を振り返る〜
コロナ禍の年となった2020年度、YATOでは社会状況に応答しながらオンラインも含め新たな手法を模索した一年でもありました。そのなかでどんな対話がなされ、いま何を考えているのかなど、プロジェクトメンバーとの対話を通じてこれからのYATOを考えるオンライントークを開催します。
コロナ禍の年となった2020年度、YATOでは社会状況に応答しながらオンラインも含め新たな手法を模索した一年でもありました。そのなかでどんな対話がなされ、いま何を考えているのかなど、プロジェクトメンバーとの対話を通じてこれからのYATOを考えるオンライントークを開催します。
※新型コロナウイルス感染症対策を行い、安心・安全の運営体制にて実施します。
日時 | 2021年3月21日(日) 14:00〜 1時間程度 |
ライブ配信 | |
内容 | ・デリバリー影絵ワークショップが放った魅力 |
参加料 | 無料
※通信料はご負担をお願します。 |
お問い合わせ | |
主催 | 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、社会福祉法人東香会 |
〜オンライントークに寄せて〜
コロナ禍の年となった2020年度、他の多くの活動と同様、YATOもまたその状況にしばし立ち止まり、活動のあり方やそもそもの起こりについて考えることを余儀なくされました。
コロナ禍の4月に行った最初のプロジェクトメンバーの定例会では、ディレクターの齋藤紘良から次のような投げかけがありました。
「YATOの縁日は、何に向かっているのか。」そもそもYATOの根幹である“500年続くcommon”は、その中心に“500年続く祭り”を目標に掲げていますが、祭りとは本来神へのささげものであったとするならば、私たちYATOは何に対してまつるのでしょうか。
この問いを受けて議論を交わすなかで、コアメンバーの気持ちが同じ方向を向き、活動の核を見据えながら軸がぶれることなく今年度の取り組みを進めることができたように感じます。
縁日や影絵はオンラインでの実施に切り替えることで最低限の目的を果たしつつ、逆にオンラインにしたからこその予想外の広がりや、新しい取り組みの可能性も手応えとして残りました。
聞き書きの活動では、特殊な状況下にあっても、敢えて日常の営みから目を逸らさないことで、年代や性別、地域すら越えて普遍的な人の感情の機微や思いに触れることができました。
ワークショップや行事の配信においても、実際に来てもらいさえすれば容易に共有できるであろうことを、いかにして伝えるのかに頭を悩ませ試行錯誤しました。そのことは結果的にではあれ貴重な経験となり、500年を目指して活動をつないでいく上での基礎力を強くしてくれたように思います。
もちろんなかには中止にせざるを得なかったものもありました。木の伐採を通して里山の自然を体感するワークショップは、伐採に適した季節と緊急事態宣言の期間が重なり、やむなく実施を断念しました。森林の匂いを嗅ぎながら、木が倒れる時の地響きやドーンという音を聴き、手にその衝撃を感じてこそ得られる実感があります。オンラインに置き換えられないこのような活動を、今後どのように担保していくのかという課題が残りました。また、地域をまたぐ移動が制限されたことで、普段様々な地域からここ忠生における実験に参加してくれているメンバーの存在のありがたさを、今一度噛みしめる機会にもなりました。
最後に、2月の定例会でメンバーから投げかけられた言葉を、時々思い出しては反芻しています。木の伐採ワークショップの中止に際して「結果として中止になるとしても、そこに至るまでの、釈然としない思いや疑問、悔しさはもっと充満していたほうがいい」という言葉です。こんな状況にさえ私たちは慣れてしまいます。できないことに留まらずできる道を探ることも大切だけど、4月にディレクターから投げかけがあったように、根幹に立ち返るということも、これからも忘れてはならない視点だと心に刻んでいます。
今回のオンライントークは、この一年交わされてきたことのほんの一部分とはなりますが、メンバー自身の声で語られる今年のYATOの活動を感じてもらう機会となればと思います。