YATO

500年のCOMMONを考える

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YATOの縁日2020 記録映像

昨年9月に実施した「YATOの縁日2020」の記録映像を公開しました。

 

YATOでは「500年」という時間軸を意識しながら活動しています。

活動の記録を伝え継ぐ方法としても、500年後の人々の目にどう映るのか、どのようなメディア(媒体)であれば500年耐えうるのかなど、日々議論を重ねています。

その試みの一つとして、今回の記録映像は16mmフィルムを使用して撮影し、YATOの縁日当日の音声を組み合わせて編集しています。


「YATOの龍女」の記録によせて

 

2020年の『YATOの縁日』は、コロナ禍によって集まることができなくなったことで、川村亘平斎による無観客の奉納影絵『YATOの龍女』を唯一の演目として行われました。

そしてその様子をYouTubeでライブ配信し、その配信した映像がそのままの形で自動的にYouTubeにアーカイブされることになりました。

これは今回の私たちだけに限ったことではなく、コロナ禍でのオンラインイベントでは、すでに一般的なフォーマットとなっています。

 

YATOでは、行われたことの記録をどのように残すかという、記録とその継承の方法を考えることがひとつのプロジェクトテーマになっています。

YouTubeに自動的にアーカイブされるという、私たちの意志の及ばないところで、いつ見れなくなるかわからないものを唯一のアーカイブとして残しておくのは心もとない。それとは別の方法で、なにか私たちの側にこの奉納影絵を記録して残しておくことはできないものか、と考えました。それもできるだけ長く残るような方法で。

 

結果として私たちは、16mmフィルムという媒体での記録方法を選びました。

それは、まず記録が物として手に触れられる形で残ること、ネガさえあればそこから再びプリントを生み出せること、そしてフィルムに光さえ照らせば、その影として文字どおりの影絵が再演されるということから、今回はこの媒体を試してみようということになりました。

 

果たしてどのような記録が残ったのかは、実際に映像を観てもらい、感想はそれぞれに委ねたいと思います。もちろんこの方法でも、考えられる不安はいくつも残っています。

サウンドはどうやって残していくのか、実際の演目の尺より大幅に圧縮されたこの記録を、正確な記録と呼べるのかなど。

こうした課題を踏まえ、YATOでは今後も記録とはなにか、継承とはどういうことかを考え、実践していきたいと考えています。

 

波田野州平

 

 

 

奉納影絵 「YATOの龍女」

作・出演:川村亘平斎
音楽:幸町バグパイプCLUB
衣装・会場装飾:spoken words project
影絵人形制作:やとっ子同盟

撮影・編集:波田野州平

 

YATOの縁日2020」のライブ配信映像も、2021年3月31日までの期間限定で公開中です。

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